ごあいさつ
ごあいさつ
1997年からぼちぼち始めていた心病む方の支援活動をさらに推し進めて、"精神障害者の幸せと自立を支援する会"の柴山会長・片柳副会長や、精神保健ボランティアグループ"えん"の川上会長をはじめ、関係各所の多くのご協力をいただき、昨年11月に小規模作業所"FN工房"を開所いたしました。
「作業所」ですから"当然何らかの仕事があって、利用者は作業をすることによっていくらかの賃金を得ることができる"と世間一般では認識されています。間違いはありませんが、この種の作業所は"一人ひとりが上手に病気と付き合いながら生き生きとその人なりに充実した人生を送れるように励ましあい、学びあう場"であるという側面を持っていることが大切であると考えます。ですからここでは出会いを大切にしながら、お互いの体験を分かち合い、学びあうことを大事にしています。
作業としては、額縁やエプロン等の工芸品や手芸品の物作りをしております。病気がいたづらをして思うようにいかないことが多いのですが、細かいことは「まあ、いいじゃん。もっと楽しもうよ」、つまり、楽しみながら作業をしていきたい、というのが職員一同のスタンスです。こう書きますとかなりいい加減のようですが、どうしてどうして、ボランティアの皆様の協力を得て、決して恥ずかしくない素敵な作品が次々と出来上がっています。現在はこれらの作品を月一回のフリーマーケットに出店したり、個人的なつながりを通じて販売しています。どうぞ一度ご覧ください。
さてこの度、工房に関わる皆様の創意でFN工房の機関紙「VIVO」を発行することができました。紙面を通じて初めて交流させていただく方もおられるかと思い簡単にFN工房の案内をさせていただきましたが、これを機に、地域の皆様のご理解も深まり、ともども真のノーマライゼーション(障害をもつ人も地域の一員として生き生きと暮らせる社会)の実現に努力していけましたら嬉しく思います。一人ひとりが大切にされる世の中になりますよう関係機関はじめ皆々様の更なるお力添えをよろしくお願いいたします。
最後に、VIVO(ヴィーヴォ)とはポルトガル語です。またブラジルでは飲物を持って乾杯するとき、大きな声で"VIVA!"と叫びながらグラスを合わせます。共に「生きていることに心から感謝し、喜び合う」"VIVER(生きている、活発な)"から変化した言葉です。したがってVIVOをあえて日本語で言うなら「生命(いのち)万歳!」といったところでしょうか。これはFN工房の理念そのものであり、皆んなの息づかいが感じられるような機関紙でありたいという願望が込められています。
フレンズネットワーク創業者 市川孝子
(フレンズネットワークの前身である精神障害者小規模作業所FN工房時代の機関誌(VIVO)創刊号から)